こんな症状はむし歯かも

- 歯が痛い
- 冷たいものがしみる
- 熱いものがしみる
- 歯の溝など一部の黒ずみ、変色
- 歯茎の腫れ、出血、痛み
- 口臭が強い
歯みがきをしていても
むし歯になる?
むし歯になる原因
食生活の乱れ
砂糖を多く含むお菓子、清涼飲料水の摂り過ぎは、よく知られたように虫歯の原因となります。また、時間をかけてダラダラ食べる・間食が多い(口内が酸性に傾く時間が長くなる)といった食べ方も、虫歯リスクを高めます。
唾液の分泌が少ない
唾液には、歯を再石灰化させたり、口内を中性に戻す役割があります。加齢、咀嚼回数の不足、水分の摂取不足などによって唾液の分泌が低下すると、虫歯のリスクが高くなります。
歯並びが悪い
歯並びが悪いと、食べかすが溜まりやすく、かつ歯ブラシで磨きにくくなります。歯並びが良い人と比べると、どうしても虫歯のリスクは高くなります。
虫歯になりやすい歯質
歯の質のことを「歯質」と言い、体質と同様に個人差があります。エナメル質・象牙質が酸・菌の影響を受けやすい歯質の人は、虫歯のリスクが高くなります。
3歳までの口内環境が
良くなかった
虫歯のなりやすさ・なりにくさは、3歳までの口内環境に大きく左右されます。それまでにたくさん虫歯をつくってしまったり、虫歯になっていなくても虫歯菌の数が多くなってしまうと、その後の虫歯リスクが高くなると言われています。
当院で行うむし歯治療の特徴
痛みの少ないむし歯治療
歯医者に行かなくてはならないことが分かっていても、「治療の痛み」が心配で先延ばしにしてしまう人は少なくありません。当院では、受診が必要な時には気軽に、安心してお越しいただけるよう、痛みの少ない虫歯治療を行っています。
表面麻酔の使用
痛みを伴う治療を行う際には、麻酔をいたします。当院では、歯茎に塗るタイプの「表面麻酔」を使用してから、麻酔注射をいたします。歯茎が一時的にしびれますので、ほとんど痛みのない注射、そして治療が可能になります。
なるべく削らない治療
当院では、MI(Minimum Intervention)を診療の基本理念としています。
MIは、最小限の侵襲(歯の悪い部分を削ること)で、最大の効果を期待するという考え方です。医科においては、内視鏡手術がMIの代表です。
ヨーロッパやアメリカといった歯科先進国では、MIに基づいた治療が当たり前のものになっています。日本でも少しずつ浸透していますが、未だ十分とは言えません。削る量を最小限に抑えることは、その歯の寿命を守ることにつながります。
虫歯だけでなく、歯周病やその他の口腔トラブルに対しても、当院ではMIの理念に基づいた治療を提供して参ります。
虫歯の進行別治療法
C0:初期虫歯
歯冠部(普段見えているところ)の一番外側を覆う「エナメル質」が溶け始めた状態です。
症状は見た目の変化に留まり、鏡でじっくり見ないと普通は分かりません。定期的なメンテナンスで早期発見に努めましょう。
症状
- 部分的な白濁(ホワイトスポット)
治療法
歯科医院で行うフッ素塗布、丁寧な歯磨きを組み合わせた治療によって、歯を削らずに治すことが可能です。
C1:エナメル質に小さな
穴があく虫歯
エナメル質に小さな穴があいてしまった状態です。
まだ、はっきりとした症状はほとんど現れません。
症状
- 部分的な黒い・茶色っぽい変色
- 冷たいものがしみることも
治療法
虫歯部分を削り、コンポジットレジンを詰めます。
C2:象牙質に達した虫歯
エナメル質の下にある「象牙質」にまで虫歯が到達した状態です。
この段階でようやく、虫歯の代表的な症状である痛み(しみる)が現れます。
症状
- 冷たいものがしみる
- 甘いものがしみる
治療法
虫歯部分を削り、型取りをした上で、詰め物を取り付けます。
C3:歯の神経に達した
虫歯
歯の中央にある「神経」に虫歯が到達した状態です。
根管治療が必要となり、治療期間も長くなってしまいます。
症状
- 熱いものがしみる
- 何もしていなくてもズキズキ痛む
- 神経が死ぬと、一時的に痛みは消失
治療法
歯の神経を取り除き、根管を洗浄・消毒し、薬剤を充填する「根管治療」が必要になります。
またその上で、被せ物を取り付ける治療も行います。
C4:歯冠部が崩壊した
虫歯
虫歯の侵食によって、歯冠部がほとんどなくなり、歯の根だけになった状態です。もはや「噛む」という機能は失われています。
症状
- 歯の根に膿が溜まり、常に激しく痛む
- 歯茎から膿が出る
治療法
根管治療、被せ物治療によって歯を残せることもありますが、抜歯を選択せざるをえないということもあります。
抜歯した場合、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの追加治療が必要です。
虫歯にならないために
できること
セラミックなどの美しく機能的な材料を使ったとしても、健康な天然歯の美しさ・機能性には敵いません。また重い虫歯であるほど、その歯の寿命は短くなります。
お口の健康においてもっとも良いのは、「虫歯にならないこと」です。そしてその実現のためには、歯科医院での予防歯科が必須と言えます。予防歯科であっても、虫歯リスクをゼロにすることはできません。しかし虫歯リスクを確実に下げることはできます。
また、予防歯科に取り組むということは、定期的に歯科医院に通うということです。患者さんご自身では気づけない小さな虫歯を発見し、最小限の治療に留めて歯の健康を守るということも、予防歯科の大切な役割です。
むし歯治療のQ&A
自分で初期虫歯を見つけるということは可能ですか?
エナメル質が溶け始めた場合、その歯が部分的に白く濁ります(ホワイトスポット)。前歯の初期虫歯であれば、明るいところで鏡を使って観察すると、患者さんご自身でも見つけることが可能です。
ただ、奥歯、歯の裏側のホワイトスポットとなると、現実的には困難です。日々のセルフチェックはとても大切ですが、定期的に歯科医院に通うことで、より確実に早期発見に繋げましょう。
歯が部分的に茶色っぽくなっていますが、痛みはありません。様子を見ても良いでしょうか?
虫歯の代表的な症状として知られる「痛み」ですが、実はある程度進行してから現れます。「痛みがない=虫歯ではない」というのは間違いです。着色という可能性も考えられますが、様子見はせずお早めにご相談ください。着色の場合、クリーニングによって落とせます。
初期虫歯であれば、フッ素入りの歯磨き粉でゴシゴシ擦れば治りますか?
歯科医院で行う「フッ素塗布」では、医療機関でのみ取り扱える高濃度フッ素を使用します。初期虫歯であれば「フッ素塗布+歯磨き指導」で治すことは可能ですが、フッ素入り歯磨き粉では虫歯を治すほどの効果は期待できません。またそもそも、初期虫歯と自己判断するのは危険です。
歯科医院を受診して正しい診断を受け、安全に、確実に治すようにしてください。